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いよいよ12月、あと1ヶ月で今年も終わり、この日本酒のコラムも最終回を迎えました。会議所内でも
結構、日本酒が浸透してきた気がするのは私だけではないでしょう。日本酒の実力、真の価値を広めるのに
一役代えて嬉しく思います。そろそろ何処かの蔵元から日本酒のプレゼントが届く事だろうと、その時は美
酒の会で飲み放題が出来ると期待していて下さい。
今号は大晦日、元旦の御屠蘇用に私も飲んでいる純米大吟醸と紹介しきれなかった推奨品を載せておきます
から参考にして下さい。さて最後のうんちくですが、世界広しといえども穀物を使ってこれだけ洗練された酒
を造っている国はまず無い。いかに日本酒が世界に他に例のない素晴らしい物であるか、米を原料にして芸術
の域にまで達する酒を造り出す技術がどんなに優れたものであるか解って頂きたい。日本酒の全国の総出荷量
の中では美酒の会で飲んでいる酒クラスは15%位しかない。残りの85%は清酒風アルコール飲料がまだまだ
謳歌している。しかしこの15%が日本酒の衰退に歯止めを掛け、新しい日本酒の時代を築きつつある。白ワイ
ンの最高峰、あのロマネコンティで有名な“モンラッシェ”と肩を並べられる日本酒。そんな日本酒もこれか
ら出て来ると期待している。国内では泡盛を代表する焼酎も力をつけているが、負ける事無く、世界の三ツ星
レストラン等にどんどん日本酒が顔を出すこととなるでしょう。ワインで思い出したけどワイン、ウィスキー
には何年物、1975年物とか年代で美味さが全然違うらしい。勿論値段も違う。日本酒は普通1〜2年で飲みき
ってしまうし、3年以上経った「古酒」といういのもあるが、まだ一般的ではない。しかし、ここにきて100
年もの空白期間を経て古酒がブームになりつつある。古酒が表舞台から姿を消した理由は、戦争と米不足と酒
税に関わるだけに、旨い古酒を造るノウハウは100年前からほとんど進んでない。多くの蔵元は新酒で飲んで
美味い酒、鑑評会で金賞を受賞できる酒に熱意と力を入れてきたが、古酒の無限の可能性に情熱を注ごうと復
活が始まっている。古酒復活の先導をきったのは後で紹介しますが岐阜県の蔵元ですが、鮮烈な褐色が評判を
呼び瞬く間に全国に広まっていった。
古酒には3つの種類が保管温度によってあるが、
1、「冷蔵古酒」 アミノ酸の変化があまり無いので熟成しても着色が少ない。
2、「低温古酒」 冷蔵では無いがワインセラーのように一定温度の室内で年数を
経る。
3、「常温古酒」 暑さや寒さにさらされ、温度変化の洗礼を受けながら熟れていく。
中でも3番目の「常温古酒」が注目を浴びている。熟成させる場所、人によって味の異なるという非常に興
味深い酒。このような試みはこれからも増え続け、日本酒にロマンの味を付け加えてくれるであろう。最近は
、いい日本酒は引っ張りだこで、なかなか手に入りにくく困ってますが、素晴らしい日本酒の時代が本格的に
なるなら私にとってこの上ない喜びである。話の続きは美酒の会でするとして、今月の一品は・・・・・。
“満寿泉” 純米大吟醸
満寿泉(ますいずみ) 富山県富山市東岩瀬町269 (株)桝田酒造店
私が毎年の正月に飲む酒。年に1度か2度の純米大吟醸の中の一品。新鮮なデリシャスりんごを想わせる芳香
、やわらかい酸味がふわっと広がり、口に含むと果実を凝縮したような味が口中に溢れ返る。飲み込むと、し
ばし余韻に包まれる最高の推奨品。値段は4合瓶で4,000円位。正月用なら、まあいいかという位の価格。“満
寿泉”は純米大吟醸がお勧めで、やはり香味という観点からすると私の中ではトップクラス。
能登杜氏四天王の一人の三盃幸一氏の腕が見事に窺える、ぜひ飲んで頂きたい酒。もちろん私は今年のお
屠蘇もこれ。満寿泉の純米大吟醸を飲んで、来年がまたいい年であります様に願いたいものです。
まだまだ他にも紹介したい私の日本酒コレクションを以下に挙げると・・・・・
十四代(じゅうよんだい) 中取り純米吟醸 雄町 山形県村山市 高木酒造
現在、1番入手困難な酒。年間生産量わずか1000石(10万本)。彗星の如く現れた酒は瞬く間
に舌の肥えた酒飲みに広がり話題となった代物。とにかく飲みたい酒。
京の華(きょうのはな) 純米吟醸 会津流 福島県会津若松市 (資)辰泉酒造
幻の米「京の華」を自社で復活し、甘味、苦味を調和させた幅のある酒。じっくり飲みたい時
にはこれで。
天狗舞(てんぐまい) 純米酒 山廃仕込 石川県松任市 且ヤ田酒造
酒徒で知らない者はいない程の実力蔵で、天然乳酸による山廃仕込を全国に広めた非常に功績の
ある超有名蔵。あちこちの酒販店、居酒屋でも出回っていて手軽に飲めるようになったのは良い
事だが、反面、お店の管理不届きなのか味が落ちた感もする。ここの蔵は山廃がうまい。
達磨正宗(だるままさむね)十年古酒 純米酒 岐阜県岐阜市 (資)白木恒助商店
先程紹介した古酒復活の先導をきった蔵。日本酒なのにきれいな琥珀色が特徴で、甘口タイプで食前酒にいいと思う。最近は販路が広がったのか、結構見かける。
開運(かいうん) 純米吟醸 能登流 静岡県小笠郡大東町 鞄y井酒造場
県の酵母開発に貢献し、吟醸王国 静岡のトップを行く蔵。能登四天王 波瀬正吉氏の高い技術
力でフルーティーで飲みやすく女性にも好まれる、軽やかなのに深みのある味を生み出している
ファンタスティックな味。私は友人の開店祝い等、贈り物に買う事が多いが大好きな酒である。
鳴門鯛(なるとたい) 純米吟醸 原酒 徳島県鳴門市 竃{家 松浦酒造場
ニューヨーク4つ星レストラン「シャンテレル」のディナー酒で有名。重く幅のある上立香。
含めば純米の旨みと山廃特有の濃醇な酸味がバランスよく広がる。こってり料理に良く合う。酒造
界で話題となった、「霧造り製法」でも有名。
綾菊(あやきく) 純米吟醸 国重 香川県綾歌郡 綾菊酒造
「現代の名工」と言われる国重弘明杜氏の心と技の極み。あだやおろそかには飲めない、襟を正
して飲みたい名品。力強く豊穣な味なのに、まろやかで気品のある香味。酒質に芯があり、メリハ
リがある。すごく美味い。
とまあ、こんな所か。もちろん他にも紹介したい一品は在りますが、他は美酒の会で。実際飲んでみな
いと解らないし、人それぞれ好みもあるでしょう。しかし、11月例会で鷹勇を飲まれた方なら判る
はず。これが美酒の会の酒の実力。もっと、ぜひぜひ美酒の会へ。
ちなみに私の酒のこだわりは、まず原材料が米と米麹のみであること。これが1番。絶対的にこれで
、私の日本酒の定義。次に、香味がよくスッと入る酒であること(濃い味の料理と合わせる場合を除く
)。それでいて深みとコクがあり、ズシっと味に一本芯が通っていること。香りという点では先程紹介
した能登四天王の二人。この二人が造る酒は、口に含んだ瞬間、香りの花束がさあっと開く様なすば
らしい物で、旨いと言うより、ひたすら恍惚となる感じがする。米だけで造ったとは思えない、世の中
には途方もない才能を持った人間もいるものだと思い知らされる。本物の日本酒は典雅で繊細、なのに
力があって真に生命の水と呼ぶべき素晴らしい物である。と断言できる。こういう酒を多くの蔵にこれ
からも造り続けてもらって、日本の食の文化を盛り立てて欲しいものだと思います。
といった所で“日本酒の真価”を終わりたいと思います。1年間有難うございました。また
来年、今度は美酒の会で話の続きといきたいものです。それでは“よいお年を”・・・・・。
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